2017.07.25

永岡 綾

『週末でつくる紙文具 』収録
BOOKCASE
COLLECTION BOOK

編集者・文具プランナーの永岡 綾さんにご用途をおしえていただきました。
(Photo:清水奈緒) 

用紙
BOOKCASE
NTラシャ あい 四六判Y目 210kg

COLLECTION BOOK
クラシコトレーシング-FS  788×546mm Y目 32kg
用途
紙文具
選んだ理由
BOOKCASE
背の頭に革ひものループをつけた、文庫用ブックケース

NTラシャは、紙文具をつくるときによく使う紙です。色が豊富で、渋めのニュアンスカラーが見つかるのがうれしいポイント。「あい」のほか、「なんど」「鉄」「新橋」「もえぎ」など、好きな色がたくさんあります。

紙文具に使うときは、手に馴染む質感も大切にしています。NTラシャの素朴で温かみのあるテクスチャーは、人肌のようなナチュラルな触れ心地。日々使う文具には、こういうほっとする感じがしっくりきます。

でも、NTラシャを選ぶいちばんの理由は「つくりやすい」ことかもしれません。「BOOKCASE」は、文庫本用のケース。紙を切って、折って、穴を開けて、糊で貼る……という手順でつくるのですが、NTラシャを使えば、切り心地、折りやすさ、糊のつき具合など、どの工程もスムーズです。どんな紙でも同じようにいくかというと、そうではなくて。詳しいことはよくわかりませんが、きっと表面の平滑さや繊維の密度などいろんなことが絡み合っているのでしょう。NTラシャは、「つくる」人にとって、とてもやさしい紙だと思います。


COLLECTION BOOK
トレーシングペーパーでつくる、標本帖

「COLLECTION BOOK」は、まず「クラシコトレーシングを使いたい」というのがあって、紙から発想した作品です。透け感のある紙と紙の間に押し花を挟んで束ねた標本帖。すべてのページが片観音になっているので、出し入れも可能です。

デリケートな紙ですし、そこそこのお値段もするので、正直いうと使うときはとても緊張します。ちょっとしたことで折り跡がついてしまいますし、重ねたときに滑るので、かがりのときも細心の注意が必要です。それでも、この作品が成り立つのは、クラシコトレーシングの柔和な透明感と独特のハリ感があってこそ。

うまく仕上がったときは、「クラシコトレーシングを扱えるようになった!」という妙な達成感がありました(笑)。結果的に、この本の中でも評判のいい作品のひとつとなりました。わたし自身も気に入っています。(永岡 綾さん)
デザイン・制作
永岡 綾
関連書籍
『週末でつくる紙文具』
書く、整理する、保存する ― 目的別・30種類のつくり方

著者 永岡 綾
発行 グラフィック社
発売 2017年7月10日
定価 1500円+税
詳細 グラフィック社

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