2020.07.29

呂敬人(Lü Jingren)

『天一流芳/天一閣珍蔵系列叢書』

中国のブックデザイナー、呂敬人さんにご用途をおしえていただきました。

用紙
テーラー あい、黄土、朱、茶、きなり、グリーン、ブルー、ラベンダー 四六判Y目 68.5kg
用途
書籍表紙
選んだ理由
『天一流芳/天一閣珍蔵系列叢書』第一集の絵画、書道、扇面、拓本の四巻は中国の伝統的な装幀である包背装(ほうはいそう|二つ折りで袋状にした本文の背を一枚の紙で包む形式)を採用しています。第二集の竹刻、瓷器、文房、璽印の四巻は西洋式の角背ハードカバーの装幀で、表紙はテーラーを採用しています。テーラーの表面は絹のような繊細な肌理と織物のような柔らかい手触りがあります。天一閣蔵書楼は明代に設立され400年以上の歴史があり、中国で現存する最も有名な蔵書楼の一つです。蔵書と安定した豊かな生活環境は不可分で、天一閣のある中国江南地域の経済は絹織物の生産と貿易によって支えられてきたため、テーラーの特徴と本のテーマがぴったり合いました。

絵画、書道、扇面、拓本、文房の五巻はテーラー本来の紙色を活かし、残りの三巻は特色印刷することで最終的に読者が濃淡双方の色彩を楽しめるようにデザインしました。テクスチャの効果を残すために私たちはとても小さなスペースにイメージとタイトルをデザインし、大部分は本来の紙地を残しています。“天一流芳”この四文字の叢書タイトルと各巻のタイトルは箔押しされた直線、曲線によって呼応しています。箔押しの金色の細い線は紙面に繊細な痕跡を残し、見る角度により輝きを変化させます。(呂敬人さん)


以下原文
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《天一流芳/天一阁珍藏系列丛书》第一辑分绘画、书法、扇面、碑帖四卷,采用中国传统包背装形式装订。第二辑分竹刻、瓷器、文房、玺印四卷,采用西式方脊精装形式装订。封面采用竹尾泰拉纸,这款特种纸的纸表有蚕丝般的细腻肌理,质地则有织物般的柔软手感。天一阁藏书楼历史超过400年,史建于明代,是中国现存最为知名的藏书楼之一。藏书与安定富庶的生活环境密不可分,丝织品的生产与贸易一直是中国江南地区的经济支柱,泰拉纸的这种气质刚好与书的主题相符。

设计上如绘画、书法、扇面、碑帖、文房五卷,使用了泰拉纸系列色的本色,其余三卷则通过印刷专色的方法,最终形成读者看到的一浓一淡两组系列色彩。为了保留肌理效果,我们只在很小的区域内设计图像与书名,反而将大面积的空间留给纸张本身。套书名“天一流芳”四字和与分卷名相呼应的直线、曲线则使用了烫金工艺。金色的细丝线在纸表留下细腻的痕迹,只有在不同的角度可现。
印刷加工
箔押し、オフセット印刷
デザイナー
呂敬人、呂旻
出版社
国家図書館出版社

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