2021.03.10

東京都庭園美術館

「20世紀のポスター[図像と文字の風景]―ビジュアルコミュニケーションは可能か?」展 告知ツール

グラフィックデザイナーの長澤昌彦さんに、展覧会告知ポスターなどについて教えていただきました。
用紙
ポスター ヴァンヌーボVG-FS ホワイト 四六判Y目 150kg
招待状封筒 ヴァンヌーボVG-FS ホワイト 四六判Y目 105kg
招待状 ヴァンヌーボVG-FS ホワイト 四六判Y目 195kg
図録 詳細はこちら
用途
展覧会ポスター・招待状など
選んだ理由
東京都庭園美術館で2021年1月30日に開幕した「20世紀のポスター[図像と文字の風景]―ビジュアルコミュニケーションは可能か?」。株式会社竹尾のポスターコレクションの中から20世紀ヨーロッパ・アメリカの構成的ポスター130点が並ぶポスター展だ。アール・デコ様式の本館(旧朝香宮邸)に展示されるポスターは特に「図像と文字の風景」と呼ぶにふさわしく、キャッチコピーなどはなしに、幾何学的形態とイベント名称・日時・場所などの文字だけで、ミニマルに構成されている。「20世紀のポスター」展の告知ポスターも“POSTER20C”という展覧会の内容を抽出したワードにより、ミニマル且つ大胆に表現した。

会場に展示されるコレクションのポスターの用紙はほとんどが塗工または非塗工の白の印刷用紙だが、現物を見ると印刷との兼ね合いで多様に感じられた。マットな質感の用紙とインキのグロス感の対比、異なる版式で印刷された紙を貼り合わせたもの、紙をつなぎ合わせたものなど、1枚の紙に図像と文字だけでない情報が付帯されていた。時を経てその魅力が強まったのかもしれない。視覚言語としてのポスターに、物質感を非常に感じた。今回の展覧会告知ポスターも紙と印刷の効果を考えている。同一のデザインに色彩は黒と赤の2種類あり、「ヴァンヌーボVG-FS」にそれぞれインキが2度刷りされている。印刷所と試行錯誤を重ねた、私にとって初めて見る黒と赤だった。用紙の特性を活かした力強いポスターが出来上がった。

図録のジャケットには微細なエンボスが美しいサガンGAの中から、唯一微塗工されているプラチナホワイトに赤を2度刷り、さらにニスを引き、より図録の物質感を際立たせた。(長澤昌彦さん)
印刷加工
ポスター:オフセット印刷(スミ2度刷り+特色/特色赤2度刷り+スミ)
招待状封筒・招待状:オフセット特色1色印刷(赤)
図録:詳細はこちら
クリエイティブディレクション
佐賀一郎
アートディレクション
澤田泰廣
デザイン
長澤昌彦
関連イベント

20世紀のポスター[図像と文字の風景]―ビジュアルコミュニケーションは可能か?

会期
2021年1月30日(土)―4月11日(日)
休館日 2月10日・24日、3月10日・24日、4月5日
会場
東京都庭園美術館 東京都港区白金台5-21-9
詳細
主催:東京都歴史文化財団 東京都庭園美術館、日本経済新聞社
企画協力:多摩美術大学
特別協力:株式会社竹尾
展覧会詳細はこちら

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