2024.10.22

句具

「俳句ギフトセット -天-」

「句と暮らす」ための道具ブランド句具さんに、俳句好きな方へのプレゼントにぴったりなギフトセットについておしえていただきました。

用紙: 選句ノート（写真1枚目左上、2、3枚目）
ケース：GAファイル　四六判Y目　620kg
見返し：キュリアスマター　700×1000mmT目　94.5kg
表紙：新日本の色　細布　107cm巾　他

ケースと見返しの色の組み合わせ
ホワイト　×　アンディナグレイ
ブルージーン　×　アディロンブルー
チャコールグレー　×　ブラックトリュフ

作句ノート（写真1枚目右下、4、5枚目）
表紙：ファーストヴィンテージ　四六判Y目　206kg　スカーレット、アップルグリーン、イエローオーカー、アッシュ、ブルーグレー

季寄ポストカード（写真1枚目左下、6枚目）
アラベール-FS　スノーホワイト　四六判Y目　200kg

用途: 紙文具

選んだ理由: 「句具」は、俳句に特化した文具ブランドです。
俳句は愛好者の平均年齢が比較的高く、和風で高尚なパブリックイメージがありますが、実際は老若男女が誰でもカジュアルに楽しめる、とても気軽でアクティブな趣味です。句具は、これまで続いてきた俳句文化に敬意を込めつつも、その文化を“刷新”するのではなく“拡張”するようなイメージで、ブランディング・商品開発を行っています。具体的には、パブリックイメージである和風要素には寄っていかず、でもどこか懐かしさや親しみ、現代の日本らしさを思わせる、いわば“日本の心に触れる”、その心地のようなものを感じるプロダクトを目指し、文具の核となる紙選びには特にこだわり、デザインしました。

見返しに「キュリアスマター」を使用した「選句ノート」は、布貼りハードカバーの背開き上製本ノートです。触れた瞬間に驚きのある「キュリアスマター」は、いつか使ってみたいと思っていた憧れの紙でした。ざらざらとした硬質な手触りは、日本家屋の土壁や土間を思い起こすようなイメージもあり、俳句の世界の入り口にぴったりだと思い、選びました。
選句ノートのケースには「GAファイル」を使用しています。イメージ通りの色展開はもちろん、空押しのみでもしっかり沈んでくれる柔らかさ、ハードカバーの上製本を収納するのに安心感のある厚み、ホチキス留めの構造に似合うラフさなどが決め手となりました。シンプルで洗練された印象がありながらも、紙特有のあたたかみを感じさせる紙質のケースは、本棚にもよく似合います。

日々持ち歩いて俳句を書き留めるための「作句ノート」には、「ファーストヴィンテージ」を採用しました。俳句の季節の区分は四季の4ではなく5なので、春夏秋冬に「新年」を加えた5色展開とすることは先に決まっていました。それを叶える豊富なカラーバリエーションがあり、かつミシン綴じ製本ができる紙質を探したところ、「ファーストヴィンテージ」がぴったりでした。
ヴィンテージ、という名にもあるように、使い込んだような風合いや杢っぽい色合い、クラフト紙をベースにした紙質は、自分の手の中から新しい文学が生まれていく喜びにも通じると思います。5色展開のノートの色名には季語を借りて、花筏、薫風、月暈、凍雲、初凪と名付けました。たとえば春から夏に季節が切り替わるタイミングで、ノートを桃色から緑色に替えて楽しんでいる人も多いです。

「句具」は、プロダクトデザイン会社「株式会社COMULA」がはじめたブランドです。
すべてのプロダクトにおいて、紙選びの際は、紙にペンで文字を書く心地、文学のこころに触れるその手触りのようなものを、どのようにしたら表現できるかを考えています。コンセプトの「句と暮らす、道具。」に似合う、日常にそっと寄り添う存在を目指しています。（句具　後藤麻衣子さん・野口大輔さん）