2025.08.07

矢萩多聞(Ambooks)

書籍『はたらく本屋』

画家・装丁家の矢萩多聞さんに、様々な職業の人たちの一日に密着した写真絵本シリーズの造本についておしえていただきました。

用紙
本文:MTA+ -FS 菊判T目 93.5kg
見返し:マーメイド カクタス 四六判Y目 153kg
表紙:里紙 こうぞ 四六判Y目 100kg
カバー・帯:サガンGA-FS プラチナホワイト 四六判Y目 130kg
用途
書籍
選んだ理由
さまざまな職業のひとの一日に朝から晩まで密着してつくった写真絵本シリーズの第一弾。写真からにじみあふれる生活感、体温のある人間の営みを生かすためにも、手に取ったときにラフな手触りがあるものにしたいと思い、「サガンGA-FS プラチナホワイト」を選びました。写真はモノトーンながら、白の顔料箔ともあいまって、版画的な立体感のあるカバーになったとおもいます。
表紙の「里紙」は風合いがありながらスミのベタ面がたいへん美しいです。この本はリソグラフで印刷したリトルプレスが元になってつくられたオフセット印刷の普及版なのですが、リソグラフ版とオフセット版の表紙が共通の銘柄・色になっています。両方買ってくれた人だけが、アレッと気がついてくれるかもしれません。
本文用紙は当初、「OKエンボス梨地」などエンボスのあるコート紙にしたかったのですが、廃番のため断念……。色校正をとって複数のマット系用紙を比べた結果、写真の再現性が高く、かつブロンズインキの輝きがよく、コスト的にも折り合いのつくものが「MTA+ -FS」でした。これまで本文につかうことはなかったのですが、ほかの紙にはない安定した優しい刷り上がりとなって気に入っています。見返しの「マーメイド」はシリーズ各巻の表紙と全体の色合いにあわせて、紙色と刷色を変えています。全体的にどこか懐かしい、でも同時にあたらしさもかんじるような造本に仕上がりました。
いつかこれらの紙をつくってくださっている製紙工場の一日や、竹尾見本帖、湾岸物流センターなどの一日も取材して、このシリーズで紹介できたらおもしろいですね。(矢萩多聞さん)
印刷加工
角背上製本
本文:オフセット特色2色印刷(艶消し黒、LR輝きブロンズ)、マットニス
見返し:オフセット特色1色印刷(DIC 647)
表紙:オフセット特色2色印刷(艶消し黒、オペーク白2度刷り)
カバー:オフセット2色印刷(特色DIC 522、スミ)、箔押し(白)、グロスニス
帯:オフセット2色印刷(特色DIC 522、スミ)
デザイン・制作
矢萩多聞(Ambooks)
撮影(書影)
吉田亮人
書籍情報
書籍情報『はたらく本屋』
著者 文・矢萩多聞、写真・吉田亮人
発行 創元社
仕様 B5変形判 24ページ 角背上製本
発売 2024年9月
定価 2,420円(税込)
ISBN 978-4-422-70191-2

販売サイト 創元社・オンラインショップ

当社では、当ウェブサイト(takeopaper.com)を快適にご利用いただくため、また、当サイトがどのように活用されているかを当社で詳しく把握するためにCookieを使用しています。「同意する」ボタンを押していただくか、引き続き当サイトをご利用いただいた場合、上記の条件に同意いただいたものと見なします。Cookieの取り扱いについては、「お客様の個人情報のお取り扱いについて」にも記載されていますのでご参照ください。