5月のセレクト10　“GREEN GREEN GREEN”

田中千絵さんが5月の紙にセレクトしたのは、新緑の季節をイメージさせる緑色の紙。
9,000種の紙の中から10種選ぶのは大変な作業ですよね。

田中　まず、緑系の紙を100枚くらい、工作がしやすい四六判で100ｋｇほどの厚みで用意しました。そこから直感で気になる紙をピッピッピッって抜いていったら20種類くらいでした。さらに選んだ紙を色味と質感のカテゴリーに分類して、バランスをみて最終的にこの10種類に決めました。バラエティーに富んだ紙のそれぞれの個性を感じて使っていただきたくて選びました。

ご好評につき完売いたしました。ありがとうございました。

 

1.玉しき きっか ｜ きのめ　四六判Y目　100ｋｇ

菊の花びらを敷きつめたような柄。淡い黄緑色の地に、白い花びら部分は透かし模様です。玉しきは4種類の柄（みずたま、あられ、さしこ、きっか）がある和風な紙のシリーズ。

田中　色がきれいで、模様もあって華やかな紙なので楽しい！

• 銘柄の詳細　※2018年2月　玉しき きっか　きのめ　は廃色となりました。

2.マーメイド｜木の芽　四六判Y目　110ｋｇ

1956年発売。日本初のフェルトマーク（毛布柄）による、柔らかな凹凸がある肌合い。 人魚が住む海の穏やかなさざ波をイメージして「マーメイド」と名付けました。

田中　マーメイドは工作しやすいペーパークラフト向けの紙。色も優しい黄緑で使いやすいと思います。

• 銘柄の詳細

3.クロマティコ-FS｜スプリンググリーン　500×700ｍｍ　70ｋｇ

躍動的で鮮やかな濃色の透け感が今までにない、フランスのトレーシングペーパー。 森林や生態系、林業従事者の経済面や社会面に配慮してできた森林認証紙です。

田中　色のビビットさと透け感が特徴的。今回のセットにはクロマティコでも厚手の70ｋｇを選びました。カッターの刃は入れにくいかもしれないけれど、ハサミで切る時のザクッザクッていう紙の質感や手ごたえを感じながら工作してもらえたらいいなと思います。

• 銘柄の詳細　※2015年1月　クロマティコA-FSにリニューアルいたしました。
  

4.コニーラップ｜グリーン　ハトロン判T目　129.5ｋｇ

さらっと平滑な肌触りのカラークラフト紙。針葉樹パルプを配合した強い紙なので、ラッピングや封筒にぴったりです。

田中　子供の頃に、家にあったお古の見本帳を見ていて、一番好きな紙がコニーラップでした。今回はコニーラップって知っていて選んだわけじゃなくて、後から偶然わかりました。思い出の紙を入れることができてなんだか嬉しいです。妹にもメールしました（笑）。黄緑以外にも、色のバリエーションが北欧チックなのもオススメポイントですよ。

• 銘柄の詳細

5.エルマーメイド｜ゴールドナイル　四六判Y目　M110

マーメイドの片面にゴールドパール加工を施した紙。優しい風合いにより上品な光沢が生まれます。地色（マーメイド うす青緑）とのリバーシブルです。

田中　きれいなラメ感があって、表裏の色が違う面白い紙なので選びました。裏を表として使ってもいいくらい、裏も表も楽しめる、なおかつきらきらの紙です。

• ※2015年7月　廃品となりました。

6.レザック66｜グリーン　四六判Y目　100ｋｇ

レザーライクの造語から名付けられた、レザックシリーズの1966年発売商品。カーフ（仔牛の革）をイメージした柄が高級感を感じさせるエンボスペーパー。

田中　実はこの風合いが苦手でしたが、新緑という切り口で見ると、革調のエンボスが緑色になることで葉っぱの表情にぴったりだと感じました。想像力次第では、木が生い茂ってるところを線描で描いたように見えるなって。色も緑ミドリしてます。

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7.ヴィベールP｜0403　700×1000ｍｍT目

ドイツから輸入した、思わず触りたくなるような、もこもこしたパイル地の紙。

田中　一番最初のシリーズに入れたかった紙です。もちろんこの緑色もかわいいけれど、もこもこした素材感がとてもユニークなので選びました。これも紙なんですっていうのを伝えたくて。素材感を重視しました。

• 銘柄の詳細

繊細な凹凸感と体系的なカラーシステムによる豊富な色展開が特徴のタント。1987年田中一光氏の監修により誕生しました。Vは2001年に発売したビビットカラーのシリーズです。

田中　タントのビビットカラーのシリーズから深い緑を。究極の緑はこれっていうのを入れたかったので、そこにはやはりタント-Vです。他の銘柄には意外とない、感覚に訴えかけてくる鮮やかで強い色のバリエーションが好きです。

• 銘柄の詳細

平安王朝の服飾美「唐衣装束」（いわゆる十二単）をイメージした、上品な色合いと織物柄のエンボスペーパー。

田中　渋い色で渋い紙。しっとりと奥行きを見せたかったので、品が良い質感と深い色味で選びました。切ったり加工したりすると表情が変わるのも面白いと思います。見本帳を眺めるだけではわからない、使い方で再発見してほしい紙ですね。

• 銘柄の詳細

特別なタント。タントをベースに、細かいレースのような不思議な模様を両面に施しています。タントセレクトは5種類の柄がある両面エンボスペーパーのシリーズです。

田中　光に透かして見るとすごくメッシュ感がわかります。とても面白いエンボスの紙。今回の緑のシリーズではなくて、他の回で浅い色を紹介しても、この紙のメッシュ感が際立って面白いのですが、ただ緑の紙として全体を見ると、この独特の手触りや色の深みは他の銘柄にはありません。紙の面白さを感じてもらいたくて今回のセットに選びました。

• 銘柄の詳細
  
  
  

今回のウェブストア限定商品の中に型紙が入っています。

田中千絵さんがつくった葉っぱと同じものが簡単につくれます。

田中　新緑の緑というテーマだったので、まずは葉っぱの形を切り抜きました。ペーパークラフトは好きな作業なので夜中にずっとやっていました（笑）。作っていくうちに、型紙から少しづつずれてしまっても、自然にはどれ一枚として同じ葉っぱはないので大丈夫です。

気軽に楽しめると思います。

田中　葉っぱの形に切ったものは、A4の紙で見るよりもそれぞれの質感が際立ちます。

タントセレクトは紙を斜めに切り抜いたら、チェック柄に見えるようになりました。
1枚1枚見てもかわいいですが、こうやって重ねながら葉っぱをバーっと広げると、クロマティコの重なりは、光を受けて透過した感じが出ますね。パラッパラッと少ないところをつくると光が差してるような印象になります。机の上に木漏れ日ができました。

田中　大きめの葉っぱを切り抜いたあと、余った部分で小さめの葉っぱを切り抜きました。紙も食材のように、余った部分も捨てずに、残さず食べて楽しんでねって思います。
台紙に写真やポストカードを貼って、その周りに切り抜いた葉っぱを両面テープで固定するだけです。水性の糊を使うと紙が波打ってしまうので、両面テープがオススメです。

田中　切り抜いた葉っぱの中心にカッターの背で筋を引くと、ピッときれいに折れます。

中心を折ると、本物の葉っぱに近づきますね。
お客様がいらっしゃった時に、これにお名前を書いてカップに貼ってお茶をお出しするってどうでしょう。沢山の人が集まる時には、自分のカップの目印にもなるし、季節感を感じられるかわいいおもてなしになります。

田中千絵さんの ブログ や Twitter に画像をアップして話題を呼んだペーパーフラッグ。

こちらもウェブストア限定商品に型紙が付属されています。

田中　ペーパーフラッグを窓に貼ってみたら、笑っているみたいでかわいい感じになりました。ハッピーバースデイってスタンプを押したらお誕生日会にも使えますね。窓に貼ると光で紙が透けて、また違った表情を見せてくれます。ヴィベールも思ったより光を通します。色の組み合わせ次第で、10種類よりもたくさんの色を使っているようにも見えます。

このペーパーフラッグが今回で一番かわいいご提案です。

田中　窓に貼るだけじゃなくて、机の上に置いてもかわいいですね。触っているうちに三角形が組み合わさって、パズルみたいにいろいろな形が生まれてきますね。あっ、星になった。お子様がいらっしゃる方はぜひ一緒に作って遊んで欲しいです。

田中千絵さんのブログで、パズルの別バージョンを公開中！

田中　ガイドをコピーして型紙を作って、紙を切り抜いてください。フラッグの先端をピチッと真っ直ぐに切るとカッコよく決まります。折り線は、カッターナイフの背の部分で筋を入れるときれいに折れます。
初めは三角形のフラッグを1枚切り抜いたのですが、両端の余った部分が勿体無いので、半分の大きさの三角形も切り抜けるような型紙を考えました。

ペーパーフラッグの気になる作り方　その2

田中　フラッグの底面に両面テープを貼って、リボンや紐に引っ掛けて折りたたみます。

これで完成。半分の大きさのフラッグは裏面からセロハンテープで留めると、色の組み合わせがかわいいフラッグが出来上がります。
色の順番は悩まなくても、思うままに。一番楽しい時間です。

家に眠っているけれど、なかなか捨てられない紙の箱。

余った紙を巻きつけるだけでオリジナルボックスに生まれ変わります。

田中　わたしは紙が余ると、円状とか帯状にして裏に両面テープを貼って、シールをつくり置きしています。手紙とか、ちょっとしたタイミングですぐに使えるように。今回は箱に貼って緑箱をつくりました（笑）。

田中　紙の裏に両面テープをつけて、貼るだけです。

水性の糊だと紙が波打ってしまうので、両面テープがオススメです。

田中　スタンプを押してみたり、余った紙を刺繍糸で縫ってつなげてつくったフラッグを貼ってみたり、自由にデコレーションを楽しんでみてください！

表紙に使っているビビットな黄緑色の紙はタント-V｜V-62 四六判Y目 70ｋｇ。
田中千絵さんはこの紙を「 “GREEN GREEN GREEN” に入れたかったけれど、全体のバランスを見てセレクトの中ではなく表紙として使った」と、おしゃっていました。

“GREEN　GREEN　GREEN” を象徴する、新緑というテーマにぴったりの黄緑。

田中千絵さんのグラフィックデザインも素敵です。

今回ご紹介した葉っぱとフラッグ、そして折り紙に便利な正方形のガイドが表紙の内側に印刷してあります。
コピーして何度でもお使いいただけます。

6月1日アップ予定

“BLUE BLUE BLUE ”

6月の雨を思わせる、水色のセレクトです。
おたのしみに！