トップ > ピックアップ一覧>第22回紙わざ大賞 作品募集|2012年7月24日公開
「紙わざ大賞」は1990年、静岡県島田市で始まったペーパーアートの全国公募展です。
昨年より特種東海製紙株式会社が主催となって「第21回紙わざ大賞」を開催。
今年も特種東海製紙株式会社の主催で「第22回紙わざ大賞」が開催されます!
出品の手続きは8月31日(金)必着。(※「第22回紙わざ大賞」は終了しました、詳しくは公式サイトをご覧ください。)
また、「第21回紙わざ大賞」の入選作品の中から、竹尾賞を受賞した、ささおまことさんの「とがりひらがな」と、
特種東海製紙賞を受賞したKisara Shogoさんの「mirror」をご紹介いたします。
おふたりに受賞作品やペーパークラフトの魅力などを語っていただきました。
アートの域に達したペーパークラフト作品の繊細な造形をぜひご覧ください。
竹尾賞受賞 ささおまこと「とがりひらがな」
ささおまこと | ペーパークラフト作家
1964年神奈川県生まれ。 主な受賞歴 ウェブサイト:http://paperartsasao.wix.com/sasaomakoto |
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■改めまして、「第21回紙わざ大賞」竹尾賞受賞おめでとうございます。
コンペを探していた時に「紙わざ大賞」を見つけて応募しました。実は「竹尾賞」を狙っていましたので、受賞の連絡をいただいた時はとても嬉しかったです。それから、会場アンケートの人気投票で1位をいただけたのも光栄でした。 |
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■ささおさんの作品をサイトで拝見すると、浮世絵をモチーフにした作品がメインですね。「とがりひらがな」は全く異なる作風で驚きました。
普段はニーズも意識して浮世絵をテーマにした作品を制作していますが、「とがりひらがな」は自分のアート的、デザイン的側面を追求しました。
一番初めに暗号をつくりたい!って思ったんです(笑)一見すると何か分らないけれど、あるルールに従うと解読できる。そこからスタートして、横から見ると三角だけど、真上から見ると文字として読める「とがりひらがな」を考えました。1文字1文字動かせるのでメッセージがつくれます!また、私は普段から平面と立体の存在を行ったり来たりする面白さを表現したいと思っています。「とがりひらがな」では、文字という平面的なものを立体に起して、それを真上から見ることを誘導し、再び平面的な文字に戻して見せることを意図しています。 色の組み合わせは赤と黒。インパクトがあるのはもちろんですが、文字が浮き上がって見える視覚的効果や影の見え方など、一番良かったのは赤黒の組み合わせでした。
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■「とがりひらがな」には「マーメイド」をお使いいただいていますよね?
「マーメイド」は風合いがとても好きな紙です。色と厚みのバリエーションが広く選択肢が豊富なのも魅力。風合いは優しいけれど、折り目も綺麗に入ってピシッと仕上がるんです。色々な紙を試しに使ってみても結局「マーメイド」に戻ってきますね。 |
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■ペーパークラフトは2007年から始められたとのことですが、きっかけを教えていただけますか?
紙は親戚が習字用紙を生産していたので、三椏(みつまた)を観察したり工作をしたりと子供の頃から馴染みのある素材でした。大学は工業デザインを学び、卒業制作では習字用紙を使った張りぼてによるインスタレーション的な作品をつくりました。 卒業後は映像関係の会社に5年勤務した後、江戸時代のからくり人形の研究復元に長年従事していましたが、色々なことが重なり、5年前に紙に戻ってきた感じです。 ただ、表現方法は変わりましたが、根本にあるのは人をおどろかせて楽しませたい、表情がはっと変わる瞬間が見たいという気持ちです。 |
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■最近の作品やこれからの活動についてお聞かせください。
最近の作品としては「とがりひらがな」のシリーズとして立方体のものをつくりました。「竹」と「尾」です。こういった自分のアート作品と浮世絵シリーズのような作品とを両立して制作を続けたいと思っています。
■「竹」「尾」ボックスおつくりいただいてありがとうございます!立方体も奥行きが出て面白いですね。 この度はインタビューにご協力いただきまして誠にありがとうございました。「第22回紙わざ大賞」応募作品も楽しみにしております。
※「竹」「尾」ボックスは見本帖本店2Fにて展示中! |
特種東海製紙賞受賞 Kisara Shogo「mirror」
Kisara Shogo | ペーパークラフトイラスト作家
主な受賞歴 ウェブサイト:http://kisaras.com/ |
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■改めまして、「第21回紙わざ大賞」特種東海製紙賞受賞おめでとうございます。
電話で受賞のご連絡をいただいたのですが、その時髪の毛を掴んで驚きながらよろこびました(笑) |
■Kisaraさんのサイトで拝見する作品は、カラフルでポップな作風が魅力的ですが、「mirror」は白1色で仕上げられているのがとても印象的でした。
この作品はとても実験的なものでした。最近は錯視(目の錯覚)ブームでしたので、どうにか紙の作品で不思議な体験・見て楽しむことができないかと考えてみました。それで身近にある「鏡の世界」を紙で再現してみようと思いつきました。意図していることが可能かは、シンメトリーにすべて作り終えるまでわかりませんでした。最初から「もし完成しちゃったら送ってみよう」というノリだったのです(笑)人にお見せして鏡になってると告げられた時はほっとしました。 白に統一したのは、見る人のちからをつかって無意識に本来の色へ変換してもらいたいからです。そのためにマーメイドで、黒い部分=ナチュラル、色がある部分=白、白い部分=スノーホワイト、と若干色を変えています(ライティングの環境で違いがわからない場合があります)。その他クロコGAやレザック80ツムギなど、ユニークなエンボス紙があるので使わせていただきました。
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■「mirror」はもちろん、Kisaraさんは「マーメイド」をメインにお使いのようですね。
「マーメイド」の独特のエンボスに一目惚れしました。また、はっきりした色で、色の種類もそれなりにあり丈夫な紙なので、クラフトに丁度良いのが決め手です(廃色が多くなってることは残念でなりません)。 |
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■ペーパークラフトは2010年から始められたとのことで、わずか1年で受賞されたことに驚きました。ペーパークラフトを始められたきっかけを教えていただけますか?
本格的にスタートしたのは2010年ですが、ペーパークラフトの楽しさを知ったきっかけは、子供の頃に出会った児童誌の遊べる付録だとおもいます。説明書きでは、セロハンテープで簡単に組み立てる内容でしたが、見た目が乏しいのと、劣化する恐れがあったのでのりを使っていかにキレイに仕上げるかという本来と違った遊びを5、6歳の時にしていました(笑)同時にブロック状の玩具にも大ハマリしていて、自分で組み立てることに喜びを感じました。 |
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■最近の作品やこれからの活動についてお聞かせください。
最近では紙の強度の実験も兼ねて、等身大のキャラクターを作りました。水には弱いですけども。
■「mirror」は精密なつくりに目を見張りましたが、等身大の作品もインパクトがありますね。公園のベンチに座っているところに遭遇したいです。 この度はインタビューにご協力いただきまして誠にありがとうございました。今後のご活躍に期待しております。 |
「第22回紙わざ大賞」募集概要
「第22回紙わざ大賞」
出品手続 | 2012年8月31日(金)必着 |
作品提出 | 2012年9月17日(月)~9月19日(水) |
入賞作品展 | [会期]2012年10月11日(木)~14日(日) [会場]銀座十字屋ホール 東京都中央区銀座3-5-4 |
審査員 | 日比野克彦(アーティスト)/福田美蘭(画家) |
賞典 | 紙わざ大賞(50万円)/紙わざ準大賞(30万円)/特種東海製紙賞(20万円)/協賛会社各賞(20万円)/東日本大震災復興賞※2(10万円)/学生賞(5万円)/各種特別賞(3万円)/入選(1万円) |
主催 | 特種東海製紙株式会社 |
協賛 | 株式会社竹尾ほか |
公式サイト | http://www.tt-paper.co.jp/kamiwaza/ |
「第22回紙わざ大賞」に関するお問合せ、詳細情報は、
特種東海製紙株式会社の公式サイト(http://www.tt-paper.co.jp/kamiwaza/)よりご確認ください。
作品の制作にご入用の紙購入や加工適性のご質問等は、当ウェブストアもお気軽にご利用ください。