2022.11.24
シナモン
大阪中之島美術館「ロートレックとミュシャ パリ時代の10年」展
図録
デザイン会社のシナモンさんに、美術展図録についておしえていただきました。
- 用紙
- 本文:ヘリオスGA ホワイト 四六判Y目 135㎏(作品ページ)
タブロ 四六判Y目 65.5㎏(巻末ページ)
背・中表紙:プレアテックス GK シープブラック 1090×790mmY目 二方耳付
- 用途
- 書籍
- 選んだ理由
- 18世紀末から19世紀初頭にかけてリトグラフ(石版画)で刷られたインクと紙の厚みをしっかりと感じるポスター作品群を、高白度のコート紙やグロス感の出る塗工紙に印刷することに違和感があり、非塗工紙・微塗工紙中心に候補紙を選びテスト印刷をしました。
そのなかで、非塗工紙「ヘリオスGA」の独特の落ち着いた白色が、作風の異なる2人の作品のどちらにも似合い、ポスター類の紙焼けも自然に馴染んだので「これだね!」となりました。竹尾さんに有力候補紙であることをお伝えした際に「作品ページに非塗工紙ですか?」と驚かれましたが、本機校正でも希望が持てる色が出たので、この紙に決めました。
展示前の作品を見て、非塗工紙で作品本来のインキ色、多色刷りの重なりやムラ、紙焼けの色を再現するよう独特の色調整をしました。UVオフセット印刷との相性も良く、ロートレックが用いた細かな色の粒やミュシャの緻密な描写や淡い色も潰れたり沈むことなく刷っていただきました。
作品ページ決定後、展覧会のテーマやイメージに沿わせながら序盤・巻末・表紙、見返しを順に決めていきました。
ムーランルージュから始まるベルエポック・パリの華やかな時代の2人のポスター作家の物語を観劇する。この物語は少しほろ苦いです。製本の都合上、背に選んだ「プレアテックス」の裏面が表2・表3に出るのですが、ムラのあるグレーが黒とも違う幕開け前と終幕の仄暗さのような演出をしてくれました。(シナモンさん)
大阪中之島美術館「ロートレックとミュシャ パリ時代の10年」展ボックスセット(2022.11.25掲載)
- 印刷加工
- ドイツ装
本文:UVオフセット印刷
背:箔押し
- クライアント
- 大阪中之島美術館
- 書籍情報
- 「ロートレックとミュシャ パリ時代の10年」展 図録
企画・編集 平井直子(大阪中之島美術館)
発行 大阪中之島美術館
仕様 通常版 B5(182×257mm)136ページ
特装版 A3判変型(414×302mm)116ページ
発売 2022年10月14日
定価 通常版 2,900円(税込)
特装版 8,000円(税込)
- 関連イベント
-
「ロートレックとミュシャ パリ時代の10年」展
- 会期
- 2022年10月15日|土|-2023年1月9日|月・祝|
月曜日(1月2日、1月9日を除く)、12月31日、1月1日 /休館
10:00-17:00(入場は16:30まで)
- 会場
- 大阪中之島美術館 4階展示室
大阪府大阪市北区中之島4-3-1 map
- 概要
- アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864-1901年)とアルフォンス・ミュシャ(1860-1939 年)が芸術の都パリで活躍した1891年から1900年までの10年間に焦点を当て、二人が共通して取り組んだ石版画ポスターを中心に紹介する企画展。
主催 大阪中之島美術館、朝日新聞社
※11月29日|火|より展示作品の一部が変わります
- 詳細
- 大阪中之島美術館