紙をめぐる話|紙の生まれる風景 No.10
九代目 岩野市兵衛と水
2012.12.01
初出:PAPER'S No.42 2012 冬号
2012.12.01
初出:PAPER'S No.42 2012 冬号
白い繊維となった楮が、水の中で踊る。
ぱしゃん、ぱしゃんと響く水音とともに、
その繊維から辛抱強く丹念に塵を取り去る手。
こうして、和紙の純度が高められていく。
「良い水のおかげで、良い紙ができる」。
越前生漉奉書の和紙職人、岩野市兵衛さんは
人間国宝のその技を、水のおかげだと謙虚に語る。
身を切る寒さの下で漉く和紙は
締まって良いといわれる。
だが、夏でも変わらぬ和紙を漉くのが、職人の矜恃。
この土地に湧く水は、ほかのどの土地の水よりも
紙づくりに適しているのだと、岩野さんはいう。
その清廉な水に晒され、叩かれ、清められた楮は
このあと、ふたたび水の中で踊り、漉かれ、
数世紀を生き抜く、端正で強靱な和紙となる。
ぱしゃん、ぱしゃんと響く水音とともに、
その繊維から辛抱強く丹念に塵を取り去る手。
こうして、和紙の純度が高められていく。
「良い水のおかげで、良い紙ができる」。
越前生漉奉書の和紙職人、岩野市兵衛さんは
人間国宝のその技を、水のおかげだと謙虚に語る。
身を切る寒さの下で漉く和紙は
締まって良いといわれる。
だが、夏でも変わらぬ和紙を漉くのが、職人の矜恃。
この土地に湧く水は、ほかのどの土地の水よりも
紙づくりに適しているのだと、岩野さんはいう。
その清廉な水に晒され、叩かれ、清められた楮は
このあと、ふたたび水の中で踊り、漉かれ、
数世紀を生き抜く、端正で強靱な和紙となる。