6月のセレクト10　“BLUE BLUE BLUE”

田中　6月は水、雨、梅雨がテーマです。
色幅と質感のバランスを考え、全体で梅雨の雰囲気を感じるグラデーションになるようにセレクトしました。前半は梅雨の曇り空の雨、後半は水そのもののイメージです。
濃い色や深い色味、銀色系も入れようかと悩みましたが、そうすると湿っぽく暗いイメージになってしまって…。重い雰囲気の梅雨は提案したくなかったので、瑞々しい生命の源の水のイメージで、明るい水色を入れました。
梅雨をポジティブに楽しんでもらえたら嬉しいです。

1.クラシコトレーシング-FS 霧 | 水　788×546ｍｍＹ目 41kg

トレーシングペーパーに漂う霧の模様を施しました。紙を抄く際にゆらゆらと色づけされ偶然にできた模様は、自然界の霧のイメージそのものです。

田中　窓に雨が当たって、ガラス全体が濡れているような印象を持ちました。6月の雨の切ない感じ。同じ模様がない自然な感じも、雨という自然現象にマッチします。

• ※2013年7月　廃品となりました。

2.OKサンドカラー | きゅうり 四六判Ｙ目 90kg

抄き込んだ混ぜ物が、砂を散りばめたように見えるファインペーパーです。ユニークな色名もポイント。

田中　降り始めの雨の雨粒が、アスファルトに跡をつけている様子を俯瞰（ふかん）で見ているようなイメージ。全体の色のバランスがとれるように、明るい雨の色を選びました。

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3.OKミューズさざなみ | わすれなぐさ　四六判Ｙ目 120kg

凹凸感のある波文様を施したファインペーパーです。模様は地合崩しという技法によるもので、偶然にできたパターンに自然な魅力があります。

田中　この紙のイメージは豪雨です。ざざざざぁーってアスファルトに雨が流れていく様子を表現したような模様。

• ※2018年4月　廃品となりました。

4.リアクション-FS | アクア　680×1000ｍｍＴ目　211kg

タイシルクのように角度によって輝きが異なって見える、ドイツからの輸入紙。森林や生態系、林業従事者の経済面や社会面に配慮してできた森林認証紙です。

田中　雨上がりのキラキラ感。晴れ間から日差しが当たって、雨の名残がキラキラと輝くイメージです。見る角度、光が当たる角度によって玉虫色に輝く紙なので、雨上がりの不思議な気持ちよさも感じるかな。

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5.TS-5 | P-67　四六判Ｙ目　100kg

特別なタント。タントをベースに、非常に細かい縞目のエンボスを施しています。タントセレクトは5種類の柄があるエンボスペーパーのシリーズです。

田中　流れる水面のような柄。ざらざらとした触り心地が特徴的ですね。柄の縞々が横方向に見えるのに、手触りの縞々は縦方向に流れていて、視覚と触角のズレが面白い紙です。紙には色々あることを知ってもらえる入口になればと思って選びました。

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6.トラックGA | あさぎ 四六判Ｙ目　100kg

大地についた轍（わだち）を思わせる、太いエンボスラインが特徴のファインペーパーです。トラックGAは15種のエンボスパターンと原紙を組み合わせるT-EOSシリーズのひとつ。

田中　前半は水の揺らぎをイメージさせる紙を選んできたので、ここで直線的なしっかりとしたストライプ模様の紙を選びました。ストライプ模様が入っていない裏面も活かして使えると思います。

• ※2016年11月　T-EOSシリーズリニューアルのため別注品となりました。

7.MLファイバー | 空　四六判Ｙ目　115kg

大理石（marble）の柄と艶のある質感をイメージしたファインペーパーです。模様は地合崩しという技法によるもので、偶然にできたパターンに自然な魅力があります。

田中　雨でぬれた石のようなイメージ。模様には風合いを感じるのに、手触りはとてもつるつる、すべすべなのが面白い。水の光沢感があります。

• 銘柄の詳細

伝統的な型染め、江戸小紋をイメージした水玉模様。水色の水玉部分は透かし模様です。玉しきは4種類の柄（みずたま、あられ、さしこ、きっか）がある和風な紙のシリーズ。

田中　今回一番入れたかった紙です。6月のセレクトに絶対入れたくて他の月には入れませんでした（笑）。この水玉模様は、雨の水玉。玉しきには、大きい水玉模様の「みずたま」もあるけど、雨の感じは小さい粒の方が向いているかなと思い、この「あられ」を選びました。

• 銘柄の詳細　※2018年2月　玉しきへリニューアルいたしました。

ポリエステル（PET）ベースの色つきフイルム。トレーシングペーパーには無い透明感を持ち、波打ちやカールも無く、折り曲げても白い筋になりません。

田中　フィルムの質感で選びました。まさに透明感がある水のイメージ。
フィルムが紙のカテゴリーとしてこのセットに入るのに意義があると思います。手にしたときにおお！と思ってもらえる驚きが欲しかったので選びました。

• 銘柄の詳細

エナメルのような光沢をもつ平滑なファインペーパー。表面は発色の良い光沢のある青色。裏面は画用紙のような質感の白色のリバーシブルペーパー。

田中　ＬＫカラーは子供の頃に工作に良くつかっていました。立体物の工作がしやすい厚さと質感です。夏休みには父親と大きな船をつくった思い出があります。つや感のある強い青色の紙を梅雨のイメージの締めに選びました。

• 銘柄の詳細　※2016年5月　LKカラーN-FSへリニューアルいたしました。

伝統的な刺し子をイメージした柄。水色の地に、白い破線部分は透かし模様です。玉しきは4種類の柄（みずたま、あられ、さしこ、きっか）がある和風な紙のシリーズ。 

田中　破線の模様が、雨の降ってる風景を想起させる柄。
テーマである6月の長雨のイメージを統括する紙です。

• 銘柄の詳細　※2018年2月　玉しき さしこ　あさぎ　廃色となりました。

田中　雨がテーマなので、まずはしずくの形に切り抜きました。
切り取る角度を変えると、模様や柄の向きも変化して水滴が揺らいでるみたいに見えますね。

グラデーションが気持ちいい、梅雨のポスターになりました。A4の紙を並べるのと、しずくの模様を並べるのでは、また違った見え方ですね。それぞれの紙の美しさが際立ちます。リアクションに光が当たってきらめくのも情緒があって素敵！

しずくのカードにメッセージを書いて渡すのにも使えますね。10枚に一文字づつ書いてまとめて渡しても面白いかも。「お・誕・生・日・お・め・で・と・う・！」とか。

田中　しずくのカードにパンチで穴を開け、安全ピンで繋げるだけでオーナメントに。
留具の部分が下になるほうが重さで安定します。

紙の中心を折ってあげると紙に表情がでて面白い。NTパイルの発色とスケ感が特に活きています。紙はグラデーションに繋げても、ランダムにしても、長さを変えてみても。どう繋げてもかわいいねー。

田中　私がしずくのカタチを切り出していたら、4歳の次男が「ぼくもやる！」って、一緒につくってくれました。ハサミで一生懸命切ってくれて、いびつなカタチがかわいらしくて、みょうに愛おしいです。いびつになっちゃうのが気になっていたみたいで、ガイドの線を書いてあげて、それをなぞって切ったのもあります。

田中　次男が、しずくの形を切り抜いた後に残った部分を、「ママ、雨のぬけがらだよ。」って言って見せてくれたんです。詩人ですね（笑）

きれいに切れても切れなくても、いびつなカタチも、全部かわいい。
こどもも大人も、自分なりのしずくをどんどん怖がらずに作って欲しいです。

田中　以前から2穴パンチが大好きです（笑）。ファイルで閉じる為に穴を開ける道具ですが、穴を開けた時にできる小さな丸い紙もかわいいでしょ？

小さな丸を抜くための紙も、適当な大きさのカードにしておけば、周囲にドットのデコレーションになって一石二鳥です。

田中　今回のセットは「トレーシングペーパー」や「NTパイル」の透ける紙が入っているので、文字を書いたカードに重ねると奥行きがでて素敵です。
透けない紙同士を少しずらして重ねても周囲に2穴パンチで穴を開けてあるので、そこから下の紙が覗いて見えて、また楽しいです。

色と質感の組み合わせが自分なりに遊べるのも、手作りの楽しさですね。

田中　全紙で見る紙の雰囲気、 A4で見る紙の雰囲気、さらにこれだけ小さくなるとまた違った表情で見ることができます。こうやって散らすとなんだか雲の粒子みたいなイメージになりますね。

糊を塗ったところにぱらぱらまいて、くっつけてデコレーションにも使えます。
便箋を飾ってもいいですよ。

3.6月のお手紙に

田中　全部水色の紙でつくる季節のお手紙。宛名を書くパーツもこだわって。

封筒はA4からぴったりとれる大きさにしました。中に入れるカードはA4の半分くらい。無駄な部分があまりでないようにしました。

田中千絵さんデザインの封筒テンプレートをご用意しました！

以下のファイルをダウンロードし、印刷してお使いください。

（リンクテキスト上で右クリック⇒［対象をファイルに保存］をお選びください）

• テンプレート＜１＞　封筒（PDFファイル）
• テンプレート＜２＞　カード（PDFファイル）

※ファイルはPDF形式です。閲覧にはAdobe Reader等のソフトウェアが必要です。

　 お持ちでない方は こちら（Adobe Readerのダウンロード） よりインストールしてください。

※ご使用のプリンタが「フチなし印刷」（全面印刷）に対応していない場合、

　 縮小して印刷されることがあります。予めご了承下さい。

田中　型を使って紙を切ったら、型紙の点線部分で書いてあるところを折りたたみます。予めカッターの背の部分で軽く筋をつけておくと、綺麗に折れます。

封筒の糊しろ部分に両面テープを貼って袋状にします。水性の糊は紙が波打つので、テープのりか両面テープがオススメです。

カードは封筒に差し込むだけ。糊付けは必要ありません。2重封筒のようにクラシカルな印象になるカードです。封筒とカードの色の組み合わせが楽しめます。

田中　2重封筒の感じがかわいいので、フラップ部分を完全に接着せず宛名カードの裏に両面テープをちょっとだけ留めて、手渡しの用途でお使いいただくのがオススメ。宛名カードの周囲に縁枠を書き入れてもかわいいと思います。

もちろん封をしっかり留めて郵送もしていただけるサイズです。

田中　5月のセレクトに「ヴィベール」をいれましたが、それと同じような、手にした時の驚きが欲しくてセレクトした「NTパイル」です。いわゆる紙ではなくてフィルムなので、使い方に困るかもしれませんが、耐水性・耐久性を活かしたブックカバーがオススメです！雨の日の読書にも安心。

本の左右をしっかり折り込んで、背の部分もしっかり折って、天地の余った部分をカッターで切り取るだけ。天地は1ｍｍくらい大きめに切ったほうがいいです。強く折っても破けたり、白くなったりしないので、遠慮なく折った方が跳ね返りがなくて使いやすいですよ。

田中　ブックカバーをつくる時に切り落とした部分を縦二つ折りにして結んだら、リボンのカタチの箸置きになりました。今、切れ端を触っていたらできました（笑）
紙は捨てる部分がないですね。

これで食卓のアイテムにも季節の彩りが加わりますね。
季節のおもてなしです。

※食品包材用途向けの紙ではございませんので、食品には直接触れないようご注意下さい。